日本骨代謝学会

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ASBMR 2022 レポート
五十嵐 駿(秋田大学大学院整形外科学講座)

紹介演題 [1]
Cortical and Trabecular Bone Improvements With Romosozumab Followed by Denosumab or Alendronate Assessed Using 3D Modeling From DXA Images

キーワード

骨粗鬆症、ロモソズマブ

研究グループ

E. Michael Lewiecki et al

  • New Mexico Clinical Research & Osteoporosis Center, Albuquerque, NM, USA
サマリー&コメント

ロモソズマブは骨形成促進と骨吸収抑制の両方の効果をもつ骨粗鬆症治療薬であり,良好なBMD上昇効果と骨折抑制効果が報告されている.FRAME試験では1年間のロモソズマブ投与の後に1年間デノスマブ投与を行うことで骨折抑制の効果が持続することが示され,FRAME試験では1年間のロモソズマブ投与の後に1年間アレンドロネートを投与することで,アレンドロネート単独と比較して有意に骨折リスクが減少したことが示された.本研究ではQCTとDXA-based 3D modelingを用いてFRAME試験とFRAME試験の対象者の大腿骨近位部の皮質骨や海綿骨の各パラメーターの推移を調査検討した.いずれの試験においても12ヶ月のロモソズマブ投与により皮質骨の厚さとBMDが有意に上昇した.24ヶ月の時点では皮質骨の厚さとBMDの累積増加量は,いずれの試験でもロモソズマブから多剤へ切り替えた場合で有意に大きかった.ロモソズマブから骨吸収抑制薬へ適切に切り替えた場合,効果を良好に維持し、さらには増大させるということがQCTとDXA-based 3D modelingを用いることで詳細に示された.薬剤の選択肢が増えてきている近年では,適切な治療選択及び切り替えをする必要がある.その点において本演題は重要な報告と考える.

紹介演題 [2]
Responder Rates for Lumbar Spine, Total Hip, and Femoral Neck Bone Mineral Density with Abaloparatide in Men: Results from the ATOM Study

キーワード

骨粗鬆症、アバロパラチド、骨密度

研究グループ

Kenneth Saag et al

  • The university of Alabama at Birmingham, Birmingham, AL, USA
サマリー&コメント

男性は骨粗鬆症の有病率は低い一方で,骨折に関連する死亡率が女性よりも高い.アバロパラチドはPTH1Rの経路を選択的に活性化する新規の骨粗鬆症治療薬である.アバロパラチドはACTIVE試験において女性の閉経後骨粗鬆症患者に対する良好な効果が報告されている.演者らはATOM(Abaloparatide for Treatment of Men with Osteoporosis)試験の参加者においてレンスポンダーをみなされる症例の割合を検討している.ATOM試験では40-85歳の男性228名をアバロパラチドまたはプラセボを2:1で無作為に割り付け,12ヶ月間投与した.腰椎,股関節,大腿骨頸部のBMDが3%以上上昇した症例をレスポンダーと定義した.投与6ヶ月と12ヶ月の時点で全評価部位のBMDはプラセボと比較して有意に上昇した.投与3ヶ月の時点でプラセボと比較してレスポンダーの割合が有意に大きかった.男性においてもアバロパラチドの良好な効果が確認された重要な演題であり,今後本邦でも適応が拡大されることが予想される本薬剤における貴重なデータと考えられる.本邦においても今後本薬剤の治療効果のデータ蓄積と十分な検討が望まれる.